蒼の彼方のフォーリズムの思い出を語る (感想)
※本記事はオタク特有の偏見が多分に含まれた感想記事です。ご了承の上閲覧ください。
前書き
2018 - 7月中旬
えぇ...
空いた口が塞がらないとはまさにこのこと。
あおかなの製作を行っていたspriteが実質的な終了宣言...。
今までどういう状況だったのか簡単な流れを説明すると
蒼の彼方のフォーリズム 無印のリリース
↓
ヒットしてアニメ化に漕ぎ着ける
↓
追加シナリオ搭載のコンシューマー版のリリース
↓
ファンディスク2本挟んだ後の続編(ZWEI)製作
といったものだったのですが、このファンディスクを1つ製作しておそらくは2本目の製作途中だったであろう7月半ばに唐突な上記画像の発表。
Switch版発売した後の黒字アピールは何だったのか...。
ちなみにファンディスクは
- EXTRA1(有坂真白√ After)
- EXTRA2(鳶沢みさき√ After)
といったヒロイン4人の中で特に人気の高かった2人のアフターストーリーが描かれる内容だったんですね。
このEXTRA1のクオリティの高さに喜び、後にリリースされるでEXTRA2も大いに期待していただけにショックが大きかったです。
特に僕はヒロインの中ではみさきが一番すこだっただけに落胆しました。
そんな中発表された消える前の蝋燭の様なsprite最期の作品集
それが11/30に発売の
- 蒼の彼方のフォーリズム perfect edition
- 〃 4th anniversary
の2種類ですね。
前者はコンシューマーで追加されたエピソードを搭載した18禁版あおかな
後者はあおかな本編, EXTRA1に加え、恋チョコとサントラといったspriteの全部乗せ(在庫処分セール)みたいなパック
両者ともみさきの追加Hシーンがプレイできるとのこと。
これはまず間違い無くEXTRA2に回す予定だった製作途中のシーンを持ってきたものでしょうね。
僕はどちらを買おうか迷ったんですが、お財布的な事情と積みゲーが増えつつあったので恋チョコに手をつけるまでに時間がかかりそうという2点でperfect editionの方を買うことに決めました。
正直花嫁パッケージ欲しかったですけどね...。
内容は無印とさほど変わらないので、完全にCS版シナリオとみさきの追加シナリオ目当て┐(´ー`)┌
んでこの11/30を境にsprite休止(実質終了)に伴ってあおかなの思い出語りがしたくなったのでこうして記事を残していこうと思ったわけです。
ここから自分語りに入ります(ネタバレ注意)
何故同じ内容のゲームを再び手にするのか
僕の初めてプレイしたエロゲがこのあおかななんですよ。
確か2年程前に何か面白いアニメないか探してたときに見つけたタイトルで、某匿名掲示板のネットの民に面白いのか聞いたところ「アニメはいいからさっさと原作やれ」と言われ、エロゲは手を出したことがなかったんですけど物は試しにやってみたらドハマりしたんですね。
当時はもう家では勿論、大学の空きコマの時間にも空き教室やソファに座ってプレイしてました。
そんなにプレイしてきたエロゲが多いわけではないんですが、それでも僕がこのジャンルの道を追い求めるようになったきっかけの作品なので思い入れも大きいとそういうお話です。
確か攻略順は真白→莉佳→みさき→明日香の順でしたね。
フライングサーカス -FC-
空を縦横無尽に飛びまわる架空のスポーツ。ぶっちゃけルールはまあまあガバいところがあるんだけども題材としては凄くすこ!
落下の安全を考慮して蒼い海の上、そして蒼い空の中で1on1の戦いを繰り広げる競技。
こういう一つの大きなテーマがあったことで主人公含め登場人物は目標に向かって熱くなり、スポ根ものとしての完成度を高められたのだと思ってます。
アンチグラビトンシューズ, 通称グラシュも部長の「バルムンク」, みさきの「レーヴァテイン」, 明日香の「飛燕」といったように厨二心をくすぐるような名前で統一されてたのも良いんですよね。
僕は二十歳過ぎて未だに厨二病患者なのでこういうので心躍っちゃうんですよ...。
- スピーダー
- ファイター
- オールラウンダー
といった3種類のファイトスタイルがあることで、よりそれぞれのキャラを立たせていたのも良いポイント。
主人公である昌也や明日香、真藤さんあたりがオールラウンダーなので
「オールラウンダー = 強い」という認識を持ちがちだけど、僕の中ではある程度何でもできる=器用貧乏という考えを持ってしまうところがあるので、スピーダー特化(主に部長)やファイター特化のキャラをもう少し持ち上げてほしかったかなという気もしています。
倉科 明日香
メインヒロイン。
少女漫画は「り○ん」より「なかよ○」派。
おっぱいはグランデサイズ。
僕の中の琴線には触れなかったけど可愛いか可愛くないかでいえば可愛い。
この子ね...良い子なんですよ。
ヒロイン4人の中で最も昌也にコーチ!コーチ!って懐いてて昌也の教えを忠実に守るワンちゃんみたいな女の子。
ファイトスタイルも恐らくは昌也をトレースしたものに近いと思われる。
自分より強い人にも臆することなく「オラわくわくすっぞ!」と意外にも戦闘民族な一面も併せ持つ。これがみさきとの違いなんですよね。
圧倒的な才能の持ち主で、初陣でエアキックターンを使えてからは以降明日香の十八番として様々な局面で使用してましたね。
派生技にペンタグラムフォースがありますが、これは多分はじめの一歩のデンプシーロールみたいなもので派手さはあるけど軌道を読みやすそうなので、目が慣れればカウンターを入れるのはそんなに難しくないんじゃないかなと思ってます。知らんけど。
(無粋な突込みですけどこれ一辺の長さ50mくらいありそうですよね。五芒星の中に対象を閉じ込めるにはどのくらいの速度で飛行すればいいんでしょうか。)
果てはアンジェリックヘイローの片鱗をも使えるようになる正にメインヒロイン万歳!
皆で協力して明日香が沙希に勝つための練習を行うってのも少年漫画っぽい展開で熱いですよね。
このCG地味にすこ!
お話的にも全√で一番なんじゃないかというくらいの盛り上げ具合なので明日香√を最後まで残しておいたのは正解だったなってのは今でも思います。
こういう言い方すると「いやいや一番盛り上がるのはみさき√だろ!?」という方が出てきそうですけど、というか某本スレで無駄に噛みつかれて議論になりかけたことも実際にあったので、どの√が一番面白いかなんてのは各々の胸の内に留めておいてください。
鳶沢 みさき
一言で表すなら面倒くさい、そんな子。
ただみさきの場合この面倒くささが逆に良いんですよね。
自分が凡人の延長線であることに気づき、作中で誰よりも才能の壁に悩み、苦しむ。
自分にもプライドがあるからこそ葛藤があったわけだし、受け止めきれなかったから一度はFCから身を引いてしまうと...。
この嫉妬なのか悔しさなのか諦めなのかよく分からない頭の中でグチャグチャになった感情を昌也にぶつける夕焼けの教室のシーンが素敵すぎましたね。
セリフ自体はクサイんですけどBGMやCGの効果もあって何度見ても感動しますよ...。
救いを求めてたのはみさきだけじゃないって点も良いですよね。
リスタート後で印象に残ってるセリフ。
これ何もみさきに限った話じゃないと思うんですよね。
僕もそうですし大多数の人がこの不安を抱えてるんじゃないでしょうか。
それを実際に口に出して自分の弱さを人に見せられるみさきは強いなと感じてましたね。
1に練習2に練習 3, 4がなくて5に練習、覆面に善処しつつ怒涛の努力が描かれるストーリー。
才能なんて努力の力でねじ伏せてやんぜ!といったようなこの泥臭さがほんと良いですよね。派手さや盛り上がりは明日香なんですけど、話の濃度的なのはみさきのが上な気がします。
非常に人間味溢れるキャラクターで、自由奔放な性格に加え好きな人に対しては弄りつつも甘えたい!そんな気持ちが汲み取れる良いヒロインですね。ほんと最高。
制作陣は猫をイメージしてデザインした子なのかな?って思ってます。
可愛いとかよりも一緒にいたいと思わせてくれる子。
多分都会で生まれ育ったら何の面白みもない子になってたと思うのでそういう意味では四島列島という九州の田舎でのびのび育ったのは良かったのだと思います。
いくつかのエロゲをプレイしてきましたが、みさきを越えるヒロインはなかなかいない気がしてます。
覆面「死ぬがよい!」
みさき「善処します」
有坂 真白
ピュッホ。一人だけEXTRA1というファンディスクが貰えた恵まれた子。
この子はただただ可愛い。
結構Twitterとか見てても真白推しの人多いですよね。僕もみさきに匹敵するくらい好きです。
みさきに対して並々ならぬ愛を向けており、それに対して昌也の方は強く当たったりはしないものの最初はそんなに信用してなかったんですね。
真摯に向き合おうとする昌也に少しずつ心を開いていく過程が良いんですよね...。
みさき先輩が好き...でも昌也先輩も気になって...っていう具合に気持ちが右往左往するのが可愛いポイント高いです。
昌也も昌也で「真白→♡→みさき」なのを気遣って明日香の方に行くけど、真白は真白でそれを見て嫉妬しちゃうけど素直になれない...面白すぎでしょ。
そして個人的に好きなシーンが部室の中で足をぶつけて真白がこれ見よがしに昌也にアピールするところ。
これもう最高ね、可愛すぎましたね。
FCの実力はヒロイン4人の中で最も控えめなので、ルート自体は熱いバトル!というよりは甘々な恋愛がメインのシナリオなわけですけど明日香みさきがガチバトルなお話な分ゲーム全体のバランスが取れてていいですよね。
みさきにせよ昌也にせよ一度惚れるとそこからはもうゾッコンって感じの子なので童貞にはたまらない性格してるんですよね。
ファンが多いのもそういった性格のおかげなのかなって思ってます。
ただ僕としては逆にこの性格がみさきとの勝敗を分けた点でもあるんですよ。
僕は消極的な思考なので
愛が強い=冷めたときのギャップが大きい
と考えてしまうんですよね。熱しやすく冷めやすい性格の女の子の場合冷めたときが地獄だなと思ってしまうわけですよ。
それと僕はあまり束縛されたくもないという面倒くさい陰キャなので真白は可愛いけど性格は合わなそうという理由で僅差でみさきのが好きという感じになりました。
あと4ぬほどどうでもいい話ですけど、実家がうどん屋っての高校の頃の元カノ(しかも後輩)と被るのが進めるうえで玉に瑕でした。
市ノ瀬 莉佳
お隣さん。
怒る人いそうだけどこの子は何かと不遇な扱いが目立つ印象ですね。
明日香やみさき並みに盛り上がるストーリーかと言われると素直に首を縦には振れないですし、他校の女の子であるが故に昌也と接点作るのに若干強引な展開に持ち込んでた感ありましたしね。
FCの実力が強すぎず弱すぎないというのも扱いに困る点で、真白相手だと勝つのは容易だし、それ以外の面子は相手として強すぎるんですよね。
五分五分くらいで戦える相手が必要だったからアウトロープレイヤーさっちゃんが登場したわけですね。
とはいえね、さんざんdisりましたが
若干自意識過剰気味ではあった点もありましたがこの子もまた可愛いんですよ。
こんな具合に肉属性を持っていて幸せそうにお肉を食べるわけですよ。
いっぱい食べる君が好きってやつですね。
でも肉好きであるのを周りに知られると恥ずかしがる...良いじゃないですか。
ぜんっぜん良いと思います(僕は昌也さんじゃないけど)。
掃除もできるし料理もできるといった具合に家事スキルも良好。
礼儀正しいし良いお嫁さんになると思います。
明日香を失った後は自分がその代わりになれるようにと周りに気も遣える点も素敵。
なかなかできることじゃないですよ...。
この子が悪いってよりは他ヒロインが色んな意味で強かったってのが不遇に見える要因の一つなのかなと思います。
そう、言ってしまえばこの子だけの突出した強み!みたいなのが薄いんですよね...。
フライングスーツえっちは良かったけどね!。
昌也と家が隣同士って設定なのにあまり生かされた点がないのも残念でならないです。
WIFIや覗きのくだりだけじゃなく料理届けるのも1回じゃなくて複数回にわたってやってって昌也の親御さんに気に入られて通い妻√みたいな展開にしてくれてもよかったのにって思います。
あと人数少ないとはいえ他校の生徒とあそこまで密接な関係を築けるメンタルとコミュ力は羨ましい限りですね。
乾 沙希
空域の支配者 - Airspace Ruler -
上述している通り僕は厨二病なのでこの字面を見た瞬間「なんてかっこいいんだ...」ってなりましたね。
だって......空域の支配者だぜ!?
空を駆け回るスポーツにおいてそれはもう絶対的な力を持つ証ってことですからね。
俺TUEEE然り力に裏打ちされた無敵ってのは魅力的に映るものなんですよ。
ファイトスタイルがスピーダーってのもよかったですね。
これでオールラウンダーとか言われたらもう他のスタイル人権ないですからね...。
Bird Cageに関してはあれはかなり脅威でしたけど、ルール改定すれば良いだけの話なので別にって感じです。あれをあのまま放置してると競技性失われて衰退していくだけですしさすがにね?
ご存知の通り作中で最大の壁として立ちはだかる女の子。
ZWEI(続編)で√が確定していたにも関わらず計画がおじゃんになりデレる機会を失い、ヒロインになり切れなかった悲しみを背負った子。
皆「この子がデレたらどうなるんだろう...絶対かわいいでしょ」って思って続編を楽しみにしてたと思うんですよ。
このように某本スレでもZEWI用に公開されたイラスト等に色々考察されてましたからね。なお秘密のまま終わる模様。
期待が大きかっただけに落胆もそれに比例するとそういうお話ですね。
もうどうしようもないからあれですけどZWEIをどういう構想にするつもりだったのかだけでも知りたい人生でしたね。
OST
Iphoneに入れたの1年半くらい前だと思うんですけど、今でもバイト前とか大学行く際の車の中とかで聴いてます。ひとつひとつ気合入れて作られてるのが分かるからすこ。
何が凄いって音楽から情景が容易に想像できるわけですよ。
「エロゲ = 紙芝居ゲー」みたいなところあるんで絵と文章で目まぐるしく変わる戦況を表現しなきゃいけないわけですけど、この音楽がそれを補助してくれてると言いますかより彩を与えてくれてるんですね。素晴らしいの一言に尽きます。
サントラの曲一個一個感想書きたいけどそれはさすがに冗長なので試合時のBGMに絞って書きたいこと書きます。
一進一退
開幕直後に流れる傾向にあるBGM。
風の中で実力が拮抗してる二人が闘ってる様が想像できるのいいですよね。
いつも自分で聴く際に試合用BGMを流すときはこの曲から順番に聴いていくので僕にとってはテンション上げるための曲でもあります。
試合開始直後の動きってスピーダー同士なら最高速上げてブイを狙いに向かって、ファイターなら一旦ブイを敵に譲って2-3ラインにショートカットからの速度を落とさぬよう上空旋回が定石ですからその光景を想像しながら聴いてます。
無限軌道
見方サイドが何らかの攻勢を仕掛ける際に流れる曲ですね。
おっ...こっから動きが出てくるのか、どんな風に仕掛けるのやら
といった感じでプレイヤーにわくわく感を与えてくれますよね。
どちらかと言えば優勢、でも負けじと相手も対抗してくるそんな情景が伝わってきますね。
なんとなく明日香のイメージが強い印象の曲。
逆風を越えて
反撃の狼煙を上げる際に流れるBGM。
イントロからもう格好いいんですよねこれ。すげえ好き。
押されてたけど今このタイミングならという状態で仕掛ける攻勢、この曲調の激しさで如何にドッグファイトでバチバチしてるかってのがわかりますね。
なんとなくみさきのイメージが強い印象の曲。
「バチバチしましょうよ 真藤さん」
王者の風格
これは高藤学園最強・真藤さんのイメージが強い曲ですね。
故に敵サイド風の曲調なんですけど優美さや勇ましさ様なものも感じ取れる良曲。
この人はコブラやスイシーダといった高等技術を易々と使いこなせる辺りが強さをより引き立たせていますよね。イリーナに必要のない技術と一蹴されてましたが観てる側としてはこちらの方が見栄え良いです、はい。
空域の支配者
誰の為のBGMなのかは言うまでもないですね。
Bird CageやAngelic Haloといった他を寄せ付けない程の圧倒的な力を感じさせる曲調。
まさに強さを彩るのにうってつけの曲ですよね。↑のCGと一緒に流れたときは鳥肌立ちましたもん。
こういう厨二感溢れるのすこすぎるんだよなあ...。
終わりに
この間久々に某本スレを覗いてみたんですけど、栄枯盛衰といいますか...かつてはあれだけ賑わってたのにすっかり寂れた荒れスレになってしまってて「あー終わりなんだな」と改めて実感しましたね。
このあおかなというゲームは本編は勿論
- EXTRAのファンディスク
- 昌也の誕生日やいちゃドキ訪問看護といったドラマCD
- みさき視点で物語を追う外伝小説
- sprite storeにて揃えてある豊富なグッズ
- 定期的に開催されていたLIVEやカフェ
といった具合にサイド部分もなかなかに充実した作品なんですよ。
僕以外にもTwitterや某本スレ等にもあおかなファンが大勢いたと思います。
それだけにこういった形で企画凍結されてしまったというのが残念でならないですね。
僕個人としては思い入れの深い作品なので、続きを追えるのであれば是非とも見てみたかったです。
とはいってもこれ以上言ってもしゃーないので今は出たものを楽しんでいくというスタイルで、12月の予定を消化したらぼちぼちPerfect Edition - 即ち2週目をやっていこうと思います。
長々とした記事に目を通していただきありがとうございました。
一人でもあおかなという作品を懐かしんでいただけのであれば幸いです。
ではっ!