塩の江戸ゲ戦記

ソラノキオクを求めて

塩サイダー(@ShioCider_RUKIT)のエロゲ感想日記

9-nine- ゆきいろゆきはなゆきのあと (EP4) 評価 / 感想

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少女の夢 ― その果てに。

 

9-nine- ゆきいろゆきはなゆきのあと とは

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ぱれっと発の異能バトルもの。

満を持しての4作目ですね。順番のおさらいをすると

  1. ここのかここのつここのいろ(九條 都)
  2. そらいろそらうたそらのおと(新海 天)
  3. はるいろはるこいはるのかぜ(香坂 春風)
  4. ゆきいろゆきはなゆきのあと(結城 希亜)

という流れですね。

1~3作目については当ブログの過去記事でも紹介させていただいておりますので、これまでの流れ等を振り返るのに併せて読んでいただければ幸いです。

 

今作は9-nine-シリーズ完結作ということで、予約した際これまでの4作全てを収納できるストレージBOXがついてきました。

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じゃん!

いいですね。こうして全作収納されると4作全て合わせて9-nine-という物語が完成するんだなと感慨深いものがありますね。

 

今回も例によってネタバレあり未プレイ者へのネタバレなしで分ける方向で書いていきたいと思います。

 

今作のヒロイン - 結城希亜

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ではまず今作のヒロインである結城希亜ちゃんに軽く触れていきましょう。

 

性格はクールだけどドがつくほどの厨二病

この子は他ヒロイン3人とは異なり玖方女学院という偏差値の高いお嬢様学校に通っているんですよね。

 

ヒロインの1人である都の親族が経営している喫茶店ナインボールの常連で、いつもパフェを食べていることから『パフェクイーン』というあだ名(翔談)がつくほど。

 

前作はるいろでは猫好きという一面も垣間見ることができました。

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マスターアップ記念の絵でもこの通り。

家ではペットを飼えないようなので、野良猫を見つけては撫でチャレンジしてるみたいです。これまでクールな面しか表に出していなかったこともあり、そのギャップに胸を撃たれたオタクさんも多いはず。

 

スティグマの位置は左目。

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能力は発動には条件があるものの大きな破壊力を生むもの。はるいろでは魂を撃ち抜く閃光を生み出していましたね。

 

小ネタですが、身長は146cmとヒロイン4人の中で最も小さかったりします

例えば天が156cmですので丁度10cmも低いのちょっと意外ですね。しばしば年下だと間違われるようです。

 

ゆきいろゆきはなゆきのあと (EP4) - ネタバレなし

 もうプレイする前から分かっていた話ですが、素の希亜ちゃんがすこぶる可愛かったです。

まず立ち絵からして強いです。

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!?

や、なんとね...希亜ちゃん自身が猫になっちゃいましたよ。

はるいろでも春風先輩の強烈な立ち絵が追加されていましたが、これも非常にインパクトの強い良い立ち絵ですね。つぱす先生流石と言わざるを得ない。

 

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ぺろさんのSD絵も勿論健在。トマトは非常に苦手とのこと。

僕も幼小期はトマトが食べられなかったのでこれはよく分かりますね。

毅然としてる割に結構子どもっぽいところ多めなので、良いギャップパンチ効かせてくれてます。
 

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実は幽霊(オカルト的なホラー要素)もダメなようで、これまた子どもっぽくて可愛らしいですね。すーこちゃんも今作では名前を貰えたようで良かったですね。安定のツッコミも健在。

 

基本猫に好かれないので、春風の能力を正しく理解する目的で猫で練習したときのCGの素晴らしさといったらもうないですよね。

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「(CGが)す、すごいことに……、」

発売前に事前公開されたOPにも使われてる一枚絵ですが、やはり実際にそのシーンで見ると胸に来るものがありますね。

 

やはり今までベールに隠れていたそのキャラの知られざる一面を知ると観ていて非常に楽しくなっていくものですね。シナリオの出来も良かったですが、この結城希亜ちゃん単体で見てもなかなかの完成度だったと思います。

 

それではこれ以降はネタバレ有りの感想を綴っていきます。

当然シナリオの核心に迫るものに関しても触れていきますので、未プレイの方はここまでで閲覧を控えることをお勧めします。

 

 

ゆきいろゆきはなゆきのあと (EP4) - ネタバレあり

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結城希亜というキャラに関しては、前項で可愛さを上げましたが、それとは別に過去に妹をなくしてしまったことを悔いており、そのトラウマを乗り越えるために前へ進む決断のできる芯の強い子だなと感じました。魂を焼く炎をの中でも根性で乗り切ったり結構メンタル強いんですね。

翔が別の枝で経験した惨状を聞き、これ以上大切な誰かを失いたくないという共通の闘う理由を持つことで惹かれていくというのも見ていて納得できました。

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この子の個人的に特に気に入った点は守られる側でなく隣に立ち共に闘う者でありたいという想いを持っていたところですね。

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「あなたはもう背負った。だから次は、私が背負う」

「二人で、背負うの!」

翔が希亜と仲を深めた後ソフィに眷属化の話を持ち掛けるシーンですね。

皆さんはるいろのイーリス戦を覚えていらっしゃいますでしょうか。

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踏ん切りがつかない春風に対して叱咤激励をするシーンがありましたね。

毅然とした物言いで理想の自分に近づこうとする真っ直ぐとした意志が素敵だなと感じました。いい子ですよほんと。

 

パロディネタはジョジョ(後述)の他にコードギアススパロボ等があり非常に僕好みでしたね。

特にコードギアスにはC.C.が「雪がどうして白いかを知っているか? 自分がどんな色か忘れてしまったからさ」と言うシーンがあり、本作のサブタイトルに"ゆき"が使われていること、本当の自分を見失っている希亜というキャラを主軸に置いていることといった具合に被っている箇所が見られた部分も含めて好きでした。

その他にも気の抜き方を覚えるため自堕落な生活に挑戦するシーンでよく知ってるゲームが出てきたのも小さな笑いを誘いましたね。

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おい見てるか?ポケ勢

僕個人もポケモン剣盾をプレイしており、ランクマッチに潜ったりもしているため少々嬉しくなりました。 

 

 

シナリオに関してはゆきいろというよりは9-nine-シリーズ全体での感想のような形になりますかね。

集大成に相応しい出来だったと思います。

9-nine-シリーズという分作物の作品だったからこそ実現できたシナリオですね。

 

あまりにもあっさりと決着したイーリス戦。

これで終わりじゃないよね?ここで終わったらただ希亜が可愛いだけのゲームだし...。

さあいつ来るよ?

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き た わ ね

予定調和と分かっていながらもこの演出は痺れましたね。イーリスもオーバーロードを手に入れ復讐に来ると、なるほどだ。

 

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この後の与一との心の詰ませ合いはなかなか惨い絵面でしたね。

恋人の死体用意して部屋で待ってるとかナチュラルサイコにも程がありますよ...。

どうオーバーロードを使ってもイーリスと与一の同調を阻止できず、翔以外のすべての人間が殺されることに気付いた翔は絶望して諦めかけるんですね。

実際このときはプレイヤー視点でも詰んで見えててここからどう逆転するんだろうと先が気になって仕方ありませんでした。

 

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未来のイーリスに引導を渡すために死んだヒロインズの肉体を幻体として用意→別の枝から意識を引っ張ってくるというとんでも技を披露。

ここまで来たらもうなんでもありだなとか思って見てましたけど面白かったのでOKです。最終戦も圧倒するかと思いきや割と二転三転する展開でしたので、非常にワクワクしましたね。

 

最後の仕込みがはるいろ最後にソフィがプレイヤーに伝えた『あなた』という要素で、思う存分使ってきたのは素敵な試みだと感じました。

正直な話、前作はるいろの感想記事にも書いた通り、『あなた』と言われてもそんなに感動しなかったですしメタ的な臭いを感じてそこまで好きにはなれなかったのですが、ここまでとことん有効な局面で使ってくれたのであれば好意的な見方に変わってきました。

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最後に今までの枝を統合し、新たなる可能性に繋げるという流れも熱い展開ですよね。

今までやってきたことは無駄ではなかったんだなと安心しました。

 

与一の最期に関しては丁度いい落としどころだったのかなと思っています。

元々殺人衝動があり、ここいろ~はるいろ含めて何人も殺しているため、味方サイドに回られたり最後平和に仲良く終わるといった流れだと何故それまでの行為が許されるのか納得できなかったと思うので、僕個人としてはこれで良かったと感じています。

 

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最後は我らが切り札がトラウマを乗り越え、文字通り魂の一撃を撃ち込んで無事ハッピーエンドへと繋げてくれましたね。その姿は紛れもなくBraverでした。

 

4作続いた話を綺麗に締めつつ、結城希亜という女の子を大きく成長させた素敵なシナリオでした。

 

圧倒的ジョジョ四部感

これプレイされた方の中でジョジョ四部知ってる人は皆感じたと思います。

①集会内で話されるパロディネタ

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序盤で転がされる会話の一部分。言ってしまえばこれもある意味伏線という扱いになりますかね。

 

②与一の性格

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与一の性格 : 人殺しが趣味だけど穏やかに過ごしたい

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吉良吉影(ジョジョ四部ラスボス)の性格 : 人殺しが趣味だけど穏やかに過ごしたい

二人とも能力を駆使して殺人の証拠が残らないようにしてる点も含めもろ被りなんですよね笑

 

③使用能力

ジョジョ四部では、吉良吉影が主人公たちに追いつめられた際"バイツァ・ダスト"と呼ばれる時間を撒き戻す能力を駆使して主人公勢から逃れようとするシーンがあります。

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翔もそうですが、与一(イーリス同調)が使う"オーバーロード"もやり直す能力ですので、本質は違えど少し似た能力を使っているのが分かります。

 

また、それとは別に最終戦で翔が"オーバードライブ"という新能力を使うシーンがありましたね。

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(四部ネタではありませんが、)見た目完全に"波紋疾走"です。ありがとうございました。

 

④OP・EDの演出

 ジョジョ四部の終盤のOPでは吉良吉影がバイツァ・ダストを使用する回はOPが途中で止まり逆再生になる演出があります。時間を巻き戻す能力を使っていることを視聴者に強く意識させる効果ですね。

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そしてこれもゆきいろ仮ED(上記参照)にも同じことが言えますよね。

余談ですが、どちらのムービーにもガラスが割れる演出もあったりします。

 

いかがでしょうか。

因みにこれを受けて、僕はジョジョ大好きですけど全然批判する気とかはなくて独自の方向性に昇華させており、寧ろ良いオマージュだったなくらいに思っています。単に好きな作品と似ている部分があり面白いなと感じたというそういうお話です。

 

総括

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僕が9-nine-シリーズに触れたのはそらいろ発売後ですので、リアルタイムで追い始めたのははるいろからではありましたが、完結作となる本作ゆきいろも一緒に追えたことを嬉しく思います。

Twitterを見てても「早く発売してほしい」だとか考察であったりとか次回作を待っている間にも多くの方が話題に出して触れていたので、気づけば根強い人気を獲得していたのだなと改めて感心しました。

分作物は前例が少なく、売り上げ次第では最悪制作中止もあり得たでしょうし、前作を上回る質でないといけないというプレッシャーもあったでしょう。制作陣としても不安もあったかと思いますが、本作で無事にこの長い物語を締められたようで何よりです。

過去作との矛盾を作らぬよう仕上げるのも大変だったでしょうし、ほんとお疲れ様でしたぱれっとさん。

 

最後のソフィーティアの締め方からしてFDが今後出ると思いますので(出ますよね...?)、そちらの続報やグッズ展開にも期待していきたい次第です。

3wayバッグを利用してますが、あれ本当に便利ですので、可愛い系だけでなくああいう実用的なグッズも今後色々出していただけたら嬉しいですね。

 

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塩サイダー (@ShioCider_RUKIT) | Twitter

 

ではっ!