さくら、もゆ。 -as the Night's, Reancarnation- 評価 / 感想
さくらもゆとは
FAVORITE発の魔法少女ゲー。
いろとりどりでお馴染みの漆原先生脚本ですね。
魔法少女といっても女の子がステッキ振ってキラキラしたもの振りかざすようなものではなく、もっと退廃的な人の闇に触れていき、自己犠牲の上で他の人を幸せにしようとするような物語なので結構重めのシナリオゲーです。
人類の敵である"夜の王"を倒した少年少女のその後を子どもだけが入れる夜の国の内部と交えて描かれるお話。
これは、あなたの人生のための物語ー
このゲーム実は発売日に予約して買ってたにもかかわらず半年以上かけてクリアしたんですよね。
(一つのことを伝えるのに凄く回りくどい言い回しをするから読むのに時間がかかってしまいました。)
ただシナリオ自体は非常によくできたもので終盤全ての√が一つにまとまっていく感覚は非常に気持ちのいいものを感じました。
故にネタバレが致命的となる作品ですので、未プレイの方は本作がどんな作品か気になってこういった記事を見て回ってると思うので閲覧の際はお気を付けください。
本記事は、ヒロイン感想の項目は極力ネタバレは控え、対してシナリオ感想はネタバレ有りで書き分けたいと思います。
各ヒロイン感想
杏藤 千和
ちわっこい後輩女子。
"千和" + "ちっこい" = ちわっこい
ショート, 低身長, 貧乳, ツンデレといった属性の複合タイプなので刺さるオタク多そう...とプレイ中思ってました。
普段主人公のことを悪く言う割に時折構ってもらいたい仕草をちらほら見せるの良いですね。
実家が喫茶店を営んでおり放課後はしばしばそちらで働くので主人公一行のたまり場となる模様。制服姿フリフリでまた可愛いです。ちわっこさと相まって破壊力が上がってますね。
凄く真面目で優しい子なんですこの子。
だからこそ自分の大切な人との在り方を真剣に考えて答えを出して向き合う過程がたまらなく美しいんですね。
個別√は主人公との恋愛も勿論なんですけど、それ以上に"彼"と千和へスポットが当てられておりエピローグも感動するものに仕上がってました。
なんていうか......ほんといい子だった(小並感)。
夜月 姫織
お腹の中に怪獣を飼っている女の子。
常に何かを捕食しなければ4んでしまうイビルジョーのような子。
本人曰くパフェは飲み物。
こんな具合で常にマイペースで可愛らしい性格してます。
ちょっとアホっぽい話し方も聞いてるうちに癖になるんですよね。それらも相まって個人的に本作で一番気に入ったヒロインになりました。
主人公がついついひよちゃんに対して甘くなっちゃうのも分かり身が深いですね。
個別√は 十夜半分ひよちゃん半分って感じですね。
多少ミスリードを誘う描写があったのも気に入りました。
覚悟が決まると積極的になるという意外性もギャップがあってすこれました。
柊 ハル
初登場の時点で並々ならぬ覚悟が見受けられます。
恥ずかしがり屋な性格でなかなか自分の素を周りに出そうとしない奥手な子。
でも主人公に対してはその限りでないというのはオタク心を刺激されるものがありますね。
僕は女の子の恥ずかしがる顔が非常に好きなので、このCGは心に突き刺さりました。
や、素晴らしい...。
髪形に関しても幼少期のポニーテール, 現代のロング, あさひさんの制服に袖を通す際のツインテール全部漏れなく可愛いと思う。
特にこのSD十夜も併せて可愛すぎて椅子から転げ落ちましたね。
個別√に関しては圧巻の一言。
様々な人に背中を押されて主人公ほんと恵まれてるなと思いました。
最後のエピローグに辿り着いたときのようやく...やっと...感は異常。
クロ
チョコと主人公を愛してやまない猫娘。
初めて見たときドラえもんみたいなカラーリングの服だなとか思ってました。
基本的に他ヒロインの√では主人公に対して魔法やメンタル面のバックアップをしてくれる縁の下の力持ち的な存在。
いつも下手な隠れ方で主人公を見守ってくれるのも可愛さポイント高め。
描写も少なく、ヒロインとの絡みも少ないから最初のうちは結構謎に包まれた存在なんですよね。
故にあまり書くとネタバレにつながってしまいますので、どこがどう可愛いとかは是非プレイして感じていただけたら幸いです。
気になった点
①単純に長い
(他作品でDies Iraeやイストリア等の長い作品に触れていますので、)全然長い物語自体は嫌いじゃないですし、本作も十分楽しめたのですが、描写が冗長というかもう1, 2割いらない部分を削ってより読みやすくできたかなという印象はあります。
物語の構成自体も最初に "今" をぶつけて、後にその前日譚であったりそこに至る過程を描くというスタイルが多かったので、並べ替えて納得するにはその描写を覚えておく必要があり、僕のようにゆっくり攻略していくタイプのプレイヤーとは物語自体の長さも相まって若干相性の悪さの様なものを感じました。
②文章に独特な癖がある
漆原先生の作品に触れるのは今回が初だったというのもあり、読むのに少々疲れました。上記のゲーム概要を書いた項目でもさらっと触れたようにもう少し柔らかく素直に伝わる表現であればもっと頭に入ってきやすいんだけどな...とプレイ中度々思っていました。この一つのことを伝えるのに遠回りするような書き方の文章も①の全体が長くなる一因にもなっているのだと思います。
ただシナリオは本当によかった
詳しくは下記に記載しますが、そこだけは間違いないからこそ批評空間でも非常に高い点数が反映されているのでしょう。
以降はシナリオ感想となり、トゥルー√のネタバレを含みますのでお気を付けください。
シナリオ感想(ネタバレ有)
やってよかった
と素直に思わせてくれる内容でした。
今まで歩いてきた軌跡が一つにまとまって束ねられる感覚が言葉では表せないような快感となり身体を駆け巡りました。
最終的にこの形に持っていきたかったんだなと納得させられる締めでしたね。
終わってみればハル√にロックがかかっていたのにも納得の構成ですもんね。
まさかクロ√の中にハル√が組み込まれていたとは...。
というかクロ√に入ってからは驚きの連続でした。
夜を作ったのはあず咲で、智仁とあず咲の子どもが奏大雅で、でもその奏大雅と主人公は別人で奏大雅は2人いて......
あかん、頭がこんがらがってきた
過去や別の世界線の話が飛び交うので、携帯でメモ残しながらプレイしてました。
(↑メモの軌跡)
既にクリアしていた友人にこういう認識で合ってる?と確認を取りながら紐解いていきました。
聞けば他の方々も同様にメモを取ったり重要そうな場面をスクショして残しておいたんだとか...。やっぱり皆一旦整理するんですね。
クロ√だけで江戸ゲ一本分くらいの長さがあるだけに当然と言えば当然ですね。
時系列チェックは以下のサイトを参考にさせて頂きました。
非常に分かりやすくかつ詳細にまとめてあるのでプレイされた方は是非覗いてみてください(といっても既に見てる方が殆どだとは思いますが)。
あらゆる運命を乗り越え、最後エピローグで語られるこちらの台詞
この長い物語を最後まで見てきたからこそ深みが生まれますね。
オープニングの これは、あなたの人生のための物語ーに通ずる部分があります。
項目の頭にも書きましたが、本当にプレイできて良かったです。
間違いなく今年プレイしてきた作品の中でも上位に入る内容でした。
最近積みゲーが増えてきてなかなか新規のゲームに取り掛かれてないんですけど前作いろとりどりも本作同様に高い評価を得ているようですしいずれ触れてみたいですね。
ではっ!