ウマ娘というコンテンツにハマってしまったオタクのお話
なりゆき
- 6月中旬 -
どうやらCygamesから始まったP.A.works制作のアニメにウマ娘という実在する競馬のお馬さんを擬人化したコンテンツがあるらしい。
P.A.worksのアニメは色々見てたけどこのアニメに関しては正直存在すら知らなかったです。(なおこの勧めてくれたKくんは生粋の競馬好きで相当このコンテンツに入れ込んでいました。)
勧めてもらっておいてなんだけど「ウマを擬人化ってどうなの...」っていう不審感や僕は競馬なんてディープインパクトやキタサンブラックのような名馬中の名馬くらいしか知らないというのもあっては興味自体は薄かったです。
某日通話中
Kくん「取りあえずキャラを見てみて、 "ウマ娘 一覧" で検索すれば一番上に出るから」
僕「ほーん どれどれ...(せっかく話してくれたし見るだけ見てみるか)」
ウマ娘 一覧 [検索]
僕「(おっ可愛い...)」
このオタクちょろ過ぎる
ただ可愛いとは言ってもぶっちゃけ二次元の子なんて大抵可愛いし見た目だけでは視聴決定するほどハートは掴まれなかったんですね。
そんな中Kくんと通話をしていたある日、とあるウマ娘の話を聞かされましてね
白いイナズマ・タマモクロス
関西弁の女の子ですね。この子も当然実在する馬で本物はこんな感じなんですね。
絵柄の髪色と同じで白いお馬さん。
こういう色合いの馬を葦毛(あしげ)っていうんですけど競馬界には「葦毛の馬は走らない」っていうレッテルがあったんですよ。
実際付いた値段は500万円ほどでおまけに小柄なうえに神経質な性格で病弱(小食)だったんですこの子。
タマモクロスを擁する錦野牧場からすればもう少し高く売りたかったんですけどこの牧場には億単位の借金があったせいでこの値段でも売らざるを得なかったんですね。
そして残念なことにその後この錦野牧場は倒産してしまいます。
生産者がなくなった後、調教を受けるも不十分で凡走を続ける日々...。
あまりにも勝てなかったので気分転換に芝を走らせてみたらまさかの圧勝。4歳の秋にようやく転機が訪れたんです。阪神大賞典, 天皇賞, 宝塚記念といった大きなレースでゴリゴリ勝ちに勝ってGIをも制しました。
- 葦毛の馬は走らない
- 病弱ゆえの調教不足
- 牧場の倒産
といったあらゆる逆境を跳ね除けて、周りの連中をまとめて黙らせるほどの葦毛最強馬として名を轟かせたこいつは本当に素敵だと思いました。
こちらですね。(タマちゃん可愛いよタマちゃん)
ちゃんと小柄で幼い頃に苦労していて小食っていう設定が見受けられるんですね。
ウマ娘の方のタマちゃんって赤と青を基調とした衣装着てるじゃないですか。
そしてこちらが実際のタマモクロス。
騎手の南井克巳さんが着ている衣装も赤青なんですよ。この色合いがちゃんと再現されているんですね。
そして本来オスの馬のウマ娘には右耳に飾りがついているんですけどこれも絵柄の方を見てみるとちゃんとくっついてるじゃないですか。
これらの話をまとめてKくんから聞かされたわけですよ。
僕「...すげえなっ!」
や、ほんとに感動した。まさかここまで忠実に作られてるとは...。
聞くところによるとウマ娘の勝負服は全て騎手が着ていた服に由来してるんだとか。
企画の時点で馬の所有者に頭下げて権利を頂いて作っているということもあり、作品全体が史実に基づいて作られていてかつその再現度が著しく高いんです。
これらの話で胸を撃たれて同時に他の馬にはどんなドラマがあってどこをアニメで上手く再現してるんだろうって気になって視聴を決めました。
アニメのあらすじ
主人公スペシャルウィークが田舎から出て日本一のウマ娘になるため頑張るお話。
トレセン学院に転入して切磋琢磨していくんですね。
学院寮に向かう途中、レース場で見たサイレンススズカの走りに感動してスズカと同じチームであるリギルに入る為の試験を受けます。
試験結果は惜しくも2位でチームに入ることは叶わなかったんですけど別の観点(上がり3ハロンというラスト600mのタイム)からスペシャルウィークに注目していたトレーナーに拾われチームスピカに入ることになります。
そしたらリギルにいるはずのスズカがスピカにいて驚くスペ(どうやらスズカ曰くスピカの方が自分に合った走りができるんだとか...)。
といった具合になんやかんやで
スペシャルウィーク / サイレンススズカ / ゴールドシップ / ダイワスカーレット / ウォッカ
の5人でチームスピカ始動!
推しのウマ娘
じゃあ僕の好きなウマ娘は誰なのかって話になるんですけど、
正直好きな子いっぱいです...。
だって考えてみてくださいよ。ひとりひとりドラマがあって戦って勝ってきた軌跡があることを知ってしまったらそんなのもう好きになってしまいますよ皆ね...。
そんな中で強いて好きな子を3人ほど挙げるとするなら...
あたりですかね...。これでも結構悩みました。
それぞれの理由について書かせてもらうと
- トウカイテイオー -
皇帝・シンボリルドルフ(80年代最強馬の一角)の子どもでその遺伝子が色濃く受け継がれています。
ただ落ち着いた父ルドルフとは違って人懐っこく(信頼した人間には特に)愛嬌ある馬だったみたいです。同時に「強い意志を持った上で、従順な時は従順だし、従わない時は従わない。」といった帝王の名に恥じない気品も持ち合わせていたんだとか...。
この時点で格好良い。
当然レースでも快勝を重ねて皐月賞、日本ダービーと無敗で二冠を取りブイブイ言わせていきますが、残念ながら順風満帆なレース生活は続かなかったんですね。
怪我により菊花賞への参戦ができず無敗三冠という父と同じ栄誉を逃してしまい、その後の天皇賞(春)では、慣れない長距離のレースだったということもあり、他の馬の最後のスパートについて行けず無敗伝説に幕を落とします。そしてここでもまた怪我をしてまた暗い時期が訪れてしまうんですね。
なんとかコンディションを整えて天皇賞(秋)に挑むも先頭の馬にペースを乱されスタミナ切れを起こしたため惨敗...。
でも、その後のジャパンカップというレースでは見事に返り咲き1着優勝するんです。
おっ帝王復活か...?
ですが、そうは問屋が卸してくれませんでした...。
その次の有馬記念(日本最大規模の)レースでは天皇賞(秋)でテイオーのペースを乱した馬が出走し、1番人気だったにも関わらず11着というテイオー史上最大の汚点といえる敗北を喫したんです。
それだけでなくまたもや怪我をしてしまい、長期に渡る休養に入り次のレースは一年後となってしまいました。
そして一年後(1994年)の有馬記念。これがトウカイテイオーの生涯最後のレースです。
このレースを残り100m切ったところで先頭の馬を差し切って勝利するという華々しい最期を迎えました。
通算成績は12戦9勝(勝率75%)、現役時代怪我をした回数は4回
まあ長々と書いてきましたけどこいつの何に惹かれたかって言うと
天才と謡われながらも険しかった栄光への道のり
何度堕ちても這い上がり、回り道の末にGIを制し有馬記念という日本最大規模のレースで大金星を挙げるという主人公の様な生きざま
に感動したからですね。
父ルドルフを越えられたかは所説ですが、観客をより感動の渦に巻き込んだという意味合いではこいつは父親以上だと思います。ほんと格好良い。
あとは僕はちょっと騒がしい年下の女の子が好きなのでウマ娘のトウカイテイオーはまさにドンピシャなんですね。僕の推しの9-nine-というゲームのヒロイン新海天ちゃんに通ずるところがありますね。
テイオー可愛いよテイオー
キャラソンもほんと可愛いです、胸に来ます。
- タマモクロス -
タマモクロスに関しては上でいっぱい書いたので十分魅力は伝わってると思います。
因みにタマモクロスの "白いイナズマ" という通り名は父親であるシービークロスから受け継いだものなんです。父親の二つ名を名乗り父親以上の走りをする...熱すぎる...。
通算成績 18戦9勝(勝率50%)
(才能が開花してからは1着か2着しか取ってない)
タマちゃんのキャラソンは世界への反逆の("葦毛の馬は走らない"を覆す)歌なのでなかなかに格好良い。
タマちゃん可愛いよタマちゃん
- マルゼンスキー -
愛称は(真っ赤な)スーパーカー。
こいつはね...強い
同世代では敵なしだし歴代の日本競馬会においても恐らく最強クラスだと思います。
トウカイテイオーが生き様に惚れたのだとしたらマルゼンスキーの方は走りに惚れた感じですね。
マルゼンスキーの人気を高めた試合はいくつかあるんですけどその中で僕が胸を撃たれたのは日本短波賞という名前のレースで、この試合中にマルゼンスキー...
なんと止まるんですね。
実況でも「なんか止まった!」と言われる始末。てっきり怪我をしたのかと心配されたんですけどこれはマルゼンスキーが止まった地点をゴールと勘違いしたのが原因と言われているみたいです。
レース中に止まるなんて前代未聞だしこれはもう捨てざるを得ない試合...
って思うじゃん?
この後まだゴールじゃないことに気付いたマルゼンスキーは再加速してレースに戻り、信じられないことにそのまま勝利してしまうんです。それも僅差ではなく他の馬をぶっちぎって勝つという恐ろしい内容...。
舐めプしても他の馬が相手にならない、まさに大人と子どもの様なレースでした。
競馬素人の胸を撃つには十分過ぎましたね。
でも持ち込み馬(輸入馬)であったため出場できるレースが制限されていたり、生まれた時点で前脚の向きが外を向いていため、いつ故障するからわからない、いわば爆弾を抱えたまま走っていたということもあり、活躍できた期間はそう長くはありませんでした。
ガラスの様な脆さと他を圧倒する強さが表裏一体の美しき馬
あまりにも格好良すぎました。
通算成績は8戦8勝 生涯無敗
ウマ娘の方のマルゼンスキーは母性溢れる性格で(他の馬より一回り先の時代を生きた馬のため)若干センスが古いところも可愛い。
マルゼンママァ!!!
キャラソンも若干の古臭さを感じさせる曲調だけど絶対の自信が溢れ出る歌詞は素敵です。
結論
結局のところこの記事を通して何が言いたかったかといいますと...
競馬に全く興味のなかった僕をいろんな馬を検索してレース見たり血統調べて面白がったりできるまでにしたこのウマ娘というコンテンツは凄いよというそういうお話でした。
競馬好きな人は是非、最悪知らなくても見てみてください。
とはいっても何も知識がない状態で見ただけじゃ凡作といった感じアニメなので、元ネタを調べていかに史実に対して忠実に作られているかを知ることで初めて神アニメへと昇華します。
Eclipse first,
the rest nowhere.
ではっ!