塩の江戸ゲ戦記

ソラノキオクを求めて

塩サイダー(@ShioCider_RUKIT)のエロゲ感想日記

水葬銀貨のイストリア 評価 / 感想

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水葬銀貨のイストリアとは

ウグイスカグラ発のシリアス物ですね。

ビビるくらい登場人物が不幸なゲーム。

登場するキャラの8〜9割は何らかの不幸を過去に抱えているレベルには。

あらゆる怪我や病気を完治させることのできる人魚姫の涙を巡ってのお話。

ーハッピーエンドを約束しようー

 

ガンガンネタバレして物語の真相を語りたいところですが、そうしてしまうとあまりにも台無しなのでネタバレ無しと有りで分ける方向で書いていけたらなと思います。

 

 

各人物感想(非ネタバレ)

茅ヶ崎英士

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物語の主人公。かなりのイケメンである。

登場人物はやたら英士に対して弱いだのなんだの口にして罵倒するけど僕はこいつほど強い主人公はなかなかいないと思う。

まず鳥籠事件で心を壊されず半年間耐え抜いただけでも賞賛ものだし、宗名先生のもとに養子として迎えられてからもお金の面で小さいながらも苦悩して力になろうとカジノで奔走したりと少年時代から色々凄い(語彙力)。

成長してからも小夜の借金を背負う為戦い続ける精神。これが何より凄い...。

多分僕だったら我慢できずに小夜に正体を明かしてしまうんじゃないかって思っちゃうからそれをせず鋼のメンタルを貫いたこいつはほんと立派だと思う。

 

煤ヶ谷 小夜

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(どうでもいいけどこれお玉深過ぎない...?)

鳥籠事件という英士, 夕桜, 小夜の3人が地下施設に監禁される事件で心に大きな傷を抱えた幼馴染。

 

事件のトラウマで完全に英士くんラブ(愛らしいものではなく所謂依存)になってしまうけど英士はとある事情でそれを受け入れられない。

なんとも焦れったい🤔

 

借金返済の為カジノでディーラーとして働くわけだけどその姿が中々に色っぽい‪(´ー`*)ウンウン‬

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サイドテールすこっ!

ヒロイン4人中で比較的普段の格好が地味だからそのギャップのせいでより際立つのかもね。

 

因みに特定の人たち以外には当たり障りない接し方で知り合い以上友達未満の関係を維持するという性格上友達は少ない(やったね仲間だ)

 

 

 

汐入 玖々里

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ヒロインの中で誰よりも英士を信頼してる子

本人曰く待つのが得意な女らしい。

実際とある人物にあれだけ酷い仕打ちをされても赦してしまうところも英士に自分の全てを預けてしまうのもこの子があれである理由なんだろうね。

 

この子の何が凄いって口先だけの信頼じゃなくて心から人(主に英士)を信じられるってこと。なかなかいないでしょう、出会ったばかりの人に本当の意味での信頼ができるって人。

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でもチョロインなのかというとそうでもなく、掴みどころのない性格なのがまた可愛いところ。 

 

英士の他の人には隠している辛い一面を知ってもその全てを抱擁してくれるので、見ているプレイヤーとしてもいるだけで安心感のある存在だった。

 

個別√では英士が戦わず穏やかな日々を送ることに尽力する。小夜√とは対極なのがまた面白い。

 

 

小不動ゆるぎ

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ヒーローに憧れる勇気ある少女。

序盤は砂場で一人芝居をしていたためこいつはアホな天然キャラなのかと思ったけど普通に普通の女の子だった笑

 

過去のトラウマからの脱却を図るため正義の味方を志す。

そのせいで無謀な勝負に挑んで結果颯爽と現れた英士に救われる。

もうこんなの惚れるよね。

本人は最初は憧れなのか恋心なのかわからないって言ってたけど恋心を自覚してからはグイグイアピールしてくる、可愛い...。

 

特に英士を取り合う夕桜とのケイドロはかなりガチな戦いで笑った。

この戦いで意外と頭が切れる一面が見れるのでなかなか面白い。

 

あとカジノ用の衣装があるのヒロイン中ディーラーの小夜を除けばこの子だけなのだが

これがなかなかにオシャンティー

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普段ツインテールの子って髪下ろすと途端に大人びて見えるよね。

このギャップ良きかな良きかな...。

 

個別√は抱えてるトラウマが他キャラより軽い分は比較的普通のギャルゲーだたねぇ...。

 

ただ終わり方は一番モヤモヤするかも...

 

 

茅ヶ崎夕桜

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主人公英士の実の妹。

アッパーテンションで良い意味でやかましいキャラ。

正直夕桜と結ばれる=近親相姦ということになってしまい、

若干の苦手意識みたいなのがあったため手に付けたのは最後となった。

 

普段はへらへらしているものの実は色々考えていたり自己犠牲の精神を持っていたりと序・中盤はなかなか読めないキャラだった。

 

物語中盤に突き付けられる究極の二択のうち夕桜側を選ぶと以降は完全にお兄ちゃんラブになる。可愛いっちゃ可愛いけど血のつながりがあるのが若干残念。

 

個別√の方は紅葉にカジノで戦うことを強制されるのだがそれをよしとしなかった夕桜が取った行動が覚悟に裏打ちされたもので本当に英士を愛してるんやなあってのが伝わってきた。

 

ゆるぎ√と違って問題(祈吏との間柄)をクリアしての終わりなのでまだ見ていてすっきりする方ではある。

 

 

八椚紅葉

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物語におけるジョーカーのような役割を担うキャラ。(ヒロインじゃないよ!)

デュラララでいうところの折原臨也みたいな感じと言えば伝わるかな。

悪意をばら撒いて悲劇を起こしてその過程を楽しむ快楽主義者。

正義と悪が入り混じった狂人ともいえる。

物語において序盤から終盤まで底を見せないのでミステリアスな雰囲気が終始漂っていた。

 

無粋だろうけどこいつがいなければ英士や他の人たちもこんなにも苦しい思いをせずに済んだのになあとどうしても思ってしまう。

金と権力を持っている人というのはやはり恐ろしいね

 

 

評価を下げる要因

このゲームは非常に良くできたシナリオで続きを気にならせるものなのですが、それ以外の面が足を引っ張りまくっているのでそこも書いておきます。

 

誤字脱字が酷すぎる

テキスト上に両手でも足りないレベルの量の誤植があります。日常的なシーンならまだしもシリアスシーンでも御構い無しに間違えてくるので正直若干萎えました。

因みにセリフの誤植だけでなく人物名の間違いすらも度々ありましたね。

 

シナリオと背景が一致していない

小夜が英士を大きな橋に呼ぶシーンがあるのですが、英士は約束の場所に着いたと言ったにも関わらず背景は何故か公園。でもセリフは橋の上にいる前提で進むため非常にモヤモヤした気分になりました。

 

キャラが分身する

これに関しては画像を見れば1発でしょう。

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しかもこれ確認しているだけでも2回起きます。

 

EDムービーがない 

このゲームには各ヒロイン√, BAD END, TRUE ENDとあるがそのいずれにおいてもEDが流れることはない。正直もったいないなぁと思ってしまう。

やっぱりエンディングの曲聴いてスタッフロールを眺めながらその√の振り返りを行い余韻に浸るというのが王道だと思っているので個人的には結構残念だったかなあ...。

 

 

以上のことからテストプレイが甘いと言わざるを得ないレベルの出来具合ですのでこれらの部分を許容できるか否かでこのゲームに対する評価も変わってくるかなって思います。

 

 

取り敢えず体験版やってみて続きが気になるぜっ!

ってなった方は手を伸ばしてみてもいいのかなって感じです。少なくとも買って後悔はしないと思います。

 

 

 

 

感想(ネタバレ注意!)

BAD END

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 これでもかというレベルで主人公を追いつめてくる。

  • 救わなければいけない夕桜を救えなかった
  • 今までの強さは紅葉と小夜が用意した仮初のものだった
  • (毒リンゴに毒されていたとはいえ)愛している紅葉にも手酷く見捨てらた

あまりにも過酷すぎる。英士にとってこれ以上ないくらいの辛い要素を連撃で浴びせられたのだから、もし僕が英士と同じ立場だったとしても似たような最期を迎えるだろうなあという感じ。

(というか僕なら灯さんに裏切られて数百万の損失出した時点で生きる気力失いそう...)

 

ただ英士は「小夜さんのいるテーブルでは調子がいいことが多い」と言っていたし基本的に小夜がディーラーをしているテーブルでしか戦わせてもらえない辺りがちゃんと伏線になっていたのは小夜にとってC.Aが憎むべき敵である事実と合わせて上手いなと素直に感心した。

 

ゆうて英士には宗名先生譲りの効率重視の正しい判断を下すプレイングがあるのだからイカサマでなくても相当練度の高いプレイヤーだと思うけどね。

 

 

TRUE END

明確に敵だと思っていた紫子。

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いつも運命は紫子に厳しく不幸せばかりを呼び込む。自身と妹のために必死にもがいて生きてきたけどその実は「優しさが欲しかった」「自分の苦しみを理解してくれる人が欲しかった」というもの。

彼女がやってきたことは間違いなく許されないことなんだろうけど彼女もまた被害者の一人なんだなというのが分かる√。

 

というか終盤まで気づかなかったんだけど紫子って英士の一つ上くらいの年齢なんだね。てっきり20代半ばくらいなものかと思ってた笑

 

 

そして英士vs紅葉のヘッズアップ

どういう風に決着をつけるんだろう...って思ってたら

まさかの1ゲーム目にしてオール・イン。

なるほどな、1回目の勝負で盛り上がりの最高潮を持ってきて幕引きってパターンね、いいじゃないか。

 

紅葉「降りるわ」

 

降りるんかーい。というずっこけを食らった笑

この勝負に至るまで紅葉は一度たりとも自分の底を見せていなかっただけに勝負の中盤以降に見せる動揺や怒り、本気の表情などが非常に新鮮味を帯びていた。

ずっと舞台を眺める観賞側の立場にいて自分自身が舞台に上がったが故にって感じだろうね。

 

最後の決着のシーン

紅葉「神に愛されているから負けるはずがない」

英士「世代交代のときだよ」

からのQの3 of a kind

 

もし紅葉が受けた神からの寵愛が永遠なら英士は勝てなかったろうね。

どことなく刀語(西尾維新ラノベ)の左右田右衛門左衛門vs真庭人鳥を彷彿とさせた。

 

 

この悲劇に溢れた物語はどういう風にすれば丸く収まるんだろうと思っていたけど、苦しんだ人はいるにせよ倒すべき悪は倒し、皆が笑顔になれた。最終的には綺麗に纏まった形になったなと感じたそんなTRUE√でした。

(TRUEではビビるくらい祈吏や進藤さん関わってこなかったけどね) 

 

 

余談

主人公の英士が非常にポーカーの腕が立つ設定でカジノでよく戦うシーンが描かれるのですが、それに影響されて僕もポーカーやトランプに触れる機会が増えました。

 

例えば神経衰弱のときに使ったパーフェクトシャッフル×8のトリックが印象的だったのでシャッフルの練習をしてなんとかパーフェクトシャッフルが出来るくらいにはなりました......遅いけどね。

 

ただこれ単純にシャッフルだけ上手になればいいわけじゃないんですよね。

シャッフルを行う前提としてカードを正確に半々に分割できるようにならなければいけません。

これが出来るようになるだけでも(アニメやyoutube見ながら)何時間も練習しました😔。

 

ただ一度できるようになるとウォーターフォールでシャラララララと綺麗な音を立ててカードが混ざり合うのが気持ちよくて手持ち無沙汰になったときとかにカードをシャッフルする癖が付きましたね。

 

 ポーカーの方もハンドから汲み取る期待値や効果的なレイズのかけ方など知れば知るほど深いゲームで無事趣味が1つ増えました。そういう意味でもこのゲームには感謝です!

 

 

 

 ではっ!